†第二章†

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帽子屋ファミリーの門番のディーとダムは俺の友達で、アリスに会いに行ったら一緒に双子に会いに行こうと思ってるから、これは嘘じゃない。 ただ、先にアリスに会いに行くだけで。 「お前、またあのブラッディ・ツインズに会いに行くのかぁ?」 「いいじゃん。俺、あいつらとは仲の良い友達だしー」 「あー、そーかい。……だが、危険な遊びは程々にしとけよー」 おっさんはそう言い残すと、右手をヒラヒラ振りながら立ち去って行く。 ―…ったく。おっさんのせいで、アリスに会いに行くのが遅くなっちゃったよ。 遊園地のゲートをくぐり抜け、立ち止まる。 普通の道と、森の中の獣道。 どちらの道を行くか、ちょっとの間考えて…。 「よしっ!」 目前の森を見つめる。 少しでも早くアリスに会いたくて、俺は獣道に向かって走り出した…。
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