†第一章†

5/12
前へ
/36ページ
次へ
今朝――と言っても、この世界は私のいた世界と違って時間帯がメチャクチャなので、朝の時間帯と言ったほうが正しいかもしれないけれど――私はピンクのチェシャ猫、ボリス=エレイに会う為、時間帯が朝になってすぐに滞在させてもらっている時計塔を出て、ボリスの居候先である遊園地へと向かった。 だけど間が悪かったのか、ボリスは既に出掛けたらしく、遊園地を訪れた時には居なかった。 そこで遊園地のオーナーであるゴーランドに、ダメもとでボリスの行き先を知らないかと尋ねてみたら、以外にも彼からは知っていると返答があったのだ。 なんでも、珍しく朝から出掛けていくボリスの姿を見かけ、ゴーランドは『何処に行くんだ?』と声を掛けたと言う。 最初のうちはボリスも行き先を教えてくれなかったらしいが、しつこく尋ねてみたところ『帽子屋の双子のところに遊びに行く』と言っていたと、ゴーランドは教えてくれた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加