†第一章†

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「ボリスなんか放っておいても大丈夫だよ。ね、兄弟!」 「あんな気紛れ猫なんて放っておいて、お姉さんは僕たちと遊ぶべきだよ」 「そうそう。お姉さんと一緒にいられたら僕たちとっても嬉しいな。それにボスだって喜ぶよ!」 「ボスもお姉さんをお茶会に招きたいって言っていたよ!」 『だからお姉さん、僕たちと遊ぼう!!』 矢継ぎ早にそう言って、ディーとダムは私の腕にしがみつくようにして歩き出した。 「ちょっ、ちょっと! ねぇ、聞いてちょうだい二人ともっ! 今日は私、どうしてもボリスに会わなくちゃいけないの。だから二人からのお誘いは嬉しいけど、寄り道している暇はないのよ~!!」 相変わらず、この双子は人の話を全く聞いてくれない………というか、聞く気がないのだろう…。 ―…早くボリスに会いたいのに! なんでこうなっちゃうの~~~~~?! 心の叫びとは裏腹に、双子に引っ張られている私は否応無しに、ずるずると帽子屋の屋敷へと連れられていく。 ―…あぁ、ボリスが近くまで来ていないかしら? 来ていてくれたら、この状態から何とか逃れられるのだけど!!
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