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今朝いきなり魔女は好きかと尋ねてきた少女が。 夕暮れ時に自分は魔女だと告げている。 意味が分からない。 「………あのさ……頭……大丈夫?」 つい、そんな言葉が出てしまった。 撤回するつもりもない。 ここにきて夏希は、真穂を完全に"異常"とみなした。 従者になれ? 実は魔女なんです? そんな事を本気で言っているのかと、目で問いかける。 彼女はどこ吹く風で、逆に問い返してきた。 「信じられませんか?」 「信じられる人間がいると思う?」 「ん~…それもそうですね。」 でも……と、真穂は続けた。 「本当の事ですよ。」 それで終わりだった。 付き合いきれなくなった夏希が背を向ける。 「昼休みにも言ったけどさ……常識…勉強した方がいいよ、黒部さん」 「だから、私にだって常識くらいありますよ?」 後ろから、クスクスと笑い声がする。
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