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「なら、常識の意味を辞書で調べなおすべきだね。」
それだけ言って、歩きだした。
「水瀬クン。」
答えないし、振り返りもしない。
「明日の昼休み……屋上にいますから。もし気になったら来て下さいね。」
「………。」
「本当の魔女の事。従者の意味。全部……教えますから。」
やがて、夏希は角を曲がり見えなくなった。
ぽつりと残された真穂は、ん~っと背伸びをした。
「……はぁ……すごく疲れた……それにしても……」
夏希が曲がった角を眺める。
「嫌われてるなぁ……私……。」
嫌いじゃないと、彼は言った。
けど……今の会話で嫌われてしまった可能性は大いにある。
「……なればこそ道は果てなき棘となる……」
つぶやいて、空を仰いだ。
「前途多難すぎるよ……ほんと……」
溜め息をつきながら、真穂も帰宅するのだった。
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