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何だったのだろうと……今更ながらに思う。
自分のベッドにカバンを放り投げ、夏希は机でぼ~っとしていた。
いつもなら、自分の部屋についた時点で利明から借りている小説に手をつけるのだが、そんな気にもなれない。
頭の中は今日1日の事でいっぱいだった。
やたらと人気のある奇天烈怪奇な転校生が、自分は魔女なのだと、いきなり摩訶不思議な事をほのめかし、挙げ句の果てに従者になって欲しいなどとお嬢様もびっくりな発言をしてみせたのだ。
夏希でなくとも大抵の人間は頭がいっぱいになる。
「魔女……ね……」
それでも……あれほど混乱していた頭も、今は余裕があった。
理解不能なのは変わらないが、考える時間は十分にある。
もっとも、何を考えれば良いのかすらわからないから無駄にぼ~っとしている訳ではあるのだが。
「………はあ。」
おかしな話だと、夏希は溜め息をついた。
自分からあれほど拒絶したというのに、今更なんでこんなに気になるのか。
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