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その答えを見つけあぐねていると……無遠慮に部屋のドアが開いた。 「夏希?開けて良い?」 少女が扉を開けた先に立っている。 ウンザリしながら夏希は来室者に声をかけた。 「何回同じこと言わせるつもりだよ、夏姫。……それは扉を開く前に言うべき言葉だ。」 「そっちこそ、何回言わせるつもり?お姉ちゃんを呼び捨てにするなって言ってるじゃん。」 後ろ手に何かを持った少女は、頬を膨らませてズカズカと入ってくる。 有無を言わさずに夏希のベッドに腰を下ろした。 「それも何回も言ってる筈だよ。姉と呼ばせたいなら、まずはその性格を直してからだね。」 「………可愛くないなぁ……」 「当然。そんな年はとっくに過ぎた。」 水瀬 夏姫(みなせ なつき) 親の手抜きかなんなのかわからないが、彼女は夏希と同音の名前を持つ、一つ年上の姉だ。
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