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「………夏姫?」
「……………。」
「…………お姉ちゃん?」
「……………。」
夏姫の目が泳いでいる。
問答無用に、先ほどひらひらと振った本の面で夏希は姉の頭を叩いた。
「うきゃっ!!」
スパンッと大きな音がして、夏姫は頭を抱えてしゃがみ込む。
「あのね夏希。……お姉ちゃん…家庭内暴力はいけない事だと思うの。」
姉は目のはば涙で抗議した。
再び、スパンッと音がなり、
「うきゅぅ……」
なにやらマヌケな声を出して夏姫は呻く。
溜め息をつくのは夏希だ。
呆れながら彼は姉を見た。
「人の荷物を勝手に開けるなって言ったよな?これで何回目だバカ夏姫。」
「だって~……中身気になるし……うきゃあ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
「あ~れ~ほ~ど~言ったよな?なあ!?」
夏希は本の角をグリグリと姉の頭のてっぺんに押し付けた。
「はげちゃうよバカっ!!」
「やかましい。反省しろ。」
「した!!すごくしたから!!ごめんなさい~!!」
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