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きゃあきゃあ騒ぐ夏姫を……もう一度だけスパンッと叩く。 「あう~……あたまが……」 小さい頃から彼女には、夏希を構いたがる悪癖があった。 今でも意味も無く夏希の部屋に来てみたり、夏希宛ての荷物の中身を確認してみたりと、そんな感じで小さい頃の名残が色濃く残っている。 目下のところ、夏希の一番の悩みのタネはこの姉だった。 「うう~……小さい頃はあんなに可愛かったのに……」 「いつの頃の話をしてるんだよバカ夏姫。用は済んだんだから、さっさと自分の部屋に戻れよ。」 「なんで?お喋りしようよ。」 「興味ない。」 「ええ~……少しくらい付き合ってよ。」 「まだ反省がたりないみたいだな?」 ぶんぶんと夏姫は首を振った。 「してるよ、すごく反省してる!!……でも、それとこれは別じゃん。」
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