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「夏姫お姉ちゃんに話を聞いて欲しいな~って思ってるんでしょ?」
けろりと、彼女は口にした。
夏希の頬がひくりと引きつる。
「さあっ!私がなんでも相談に―――――うきゅんっ!!」
最後まで言い終わる前に、夏姫は頭を叩かれた。
今回使用された本は先ほど彼女を叩いた本よりレベルアップしていて、厚みも重さも、大きさだって当社比二倍の強者だ。
打撃音はドゴンッと響き凶悪さが増している。
る~…っと再び目の幅涙を流し、片手で頭をさすりながら夏姫は弟を見る。
「あのね……私…一応キミのお姉ちゃんなんですけど……」
「そら良かったな。」
にっこりと夏希は姉へ笑顔を贈った。
「もうちょっとさ……平和的なコミュニケーションの取り方を探そうよ……」
「そう思うならいい加減なこと言うなよな。」
ごめんなさい……と、夏姫はシクシク泣き始めた。
夏希が呆れて、溜め息を吐く。
「まあ……でも…俺一人じゃ意味不明だし…誰かに話を聞かせてみるのもアリかもな……」
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