23人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし………だ。
このバカに聞いても意味がなさそうだよな……と思いながら、夏姫をみる。
彼女は泣き止んでいるまでも、涙を目の端に溜めて、ふてくされながらぶつぶつ文句を言っていた。
叩かれた箇所を何度もさすっているあたり、結構痛かったらしい。
「まったくさぁ~…なにもあんな分厚い本で叩かなくったって良いじゃんよ。……お姉ちゃんを何だと思ってんだか……てゆうか普通、女の子の頭をポカポカ叩く?……バカ夏希。」
「お前にバカって言われたくないよトンマ夏姫。ところでさ、少し聞きたい事があるだんけど。」
「結局聞きたい事あるんじゃない!私叩かれ損じゃん!アホ夏希!」
「悪かったって何度も謝ったろ、タコ夏姫。」
「嘘つき。全然謝ってないっ。」
ぷんすか怒る姉に、夏希はひらひらと手を振った。
「嘘つきとは失礼な。俺が一番嫌いなトランプのゲームはダウトだぞ?」
「ダウト。はあ……なんか疲れてきちゃった。…それで…聞きたい事ってなんなのさ?」
「疲れてるのはお互い様だ……って言い返してても話は進まないか……」
最初のコメントを投稿しよう!