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しかし………だ。 このバカに聞いても意味がなさそうだよな……と思いながら、夏姫をみる。 彼女は泣き止んでいるまでも、涙を目の端に溜めて、ふてくされながらぶつぶつ文句を言っていた。 叩かれた箇所を何度もさすっているあたり、結構痛かったらしい。 「まったくさぁ~…なにもあんな分厚い本で叩かなくったって良いじゃんよ。……お姉ちゃんを何だと思ってんだか……てゆうか普通、女の子の頭をポカポカ叩く?……バカ夏希。」 「お前にバカって言われたくないよトンマ夏姫。ところでさ、少し聞きたい事があるだんけど。」 「結局聞きたい事あるんじゃない!私叩かれ損じゃん!アホ夏希!」 「悪かったって何度も謝ったろ、タコ夏姫。」 「嘘つき。全然謝ってないっ。」 ぷんすか怒る姉に、夏希はひらひらと手を振った。 「嘘つきとは失礼な。俺が一番嫌いなトランプのゲームはダウトだぞ?」 「ダウト。はあ……なんか疲れてきちゃった。…それで…聞きたい事ってなんなのさ?」 「疲れてるのはお互い様だ……って言い返してても話は進まないか……」
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