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とは言ったものの…………。
「さて……」
「ほえ?」
夏希は、首を傾げる夏姫をじ~っと見つめた。
どう説明したら良いのかよくわからない。
説明してどうしたいのかよくわからない。
夏姫に話を聞いてもらって、だからどうだと言うのか。
「え~と…お姉ちゃんの顔……何かついてる?それとも、どこかおかしい?」
夏希があまりに姉の顔をまじまじと見ていたら、頬をかいて苦笑しながらそう聞いてきた。
はっと我に返った夏希だったが……彼女から目を離さない。
「うう……な、なんか言いなさいよ……すんごく不安になるんだけど……」
せわしなく姉は自分の顔を触ってみたり、髪型をセットし直したりと、妙な事を始めた。
思わず、夏希は吹き出してしまう。
「あ!!笑った!!なに、やっぱり私どこかおかしい!?」
うわずった声で夏希に聞いてくる。
我慢出来なくなった夏希は、けたけたと声を上げて笑い出した。
「そりゃおかしいだろ。いきなり何やってんだよ夏姫。」
「だって人の顔見て急に黙り込むんだもん!」
弟に笑われたのが恥ずかしいらしく、夏姫は顔が赤くなった。
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