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その顔をみながら、内心で夏希は溜め息をついた。 もう少し自分の中で整理が出来てから、誰かに話を聞いてもらった方が良いかもしれない。 というか夏希には、今日1日に起きた事をわかりやすく説明できる自信がない。 「なぁ、夏姫。」 なので、夏希はふと思い出した事を聞いていた。 「魔女は幸せを運ぶって……知ってた?」 確か……これを夏希が聞いたのは昼休みだったか。 「魔女が幸せを?」 キョトンと姉は動きを止め、夏希をみる。 「良くわかんないけど……それって魔女って呼ばないんじゃない?」 「………だよな。悪い、変な事聞いた。」 溜め息をつきながら謝る。 「良いけど……聞きたい事ってそれだったの?」 「ああ。」 ベッドに座り直す夏姫に背を向けて、夏希は椅子に座り、机の本を手にとった。 「悪い。俺、夕飯まで本を読みたいからお前、部屋に戻れ。」 もちろん嘘だ。 ただ考え事をしたいだけである。 「う~ん……魔女が幸せを……でも私もどっかで……」 「……聞いてねえし」 見ると、何故か彼女まで物思いにふけってしまっているようだった。
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