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話くらいは聞いてみても良いだろうという気になってしまったのだ。 もし話を聞いて、ヤバそうなら逃げれば良い。 少なくとも、一度話を聞いてしまえば、こんなに気になる事も無くなるだろう。 「ま、あの転校生が魔女な分けないけどな。魔女なんて、所詮は空想だし。」 ―――でも、本当の事ですよ。 「…………。」 頭に浮かんだその言葉。 嘘か真かはわからない。 だが、本当に彼女が魔女だとしたら。 ――魔女は幸せを運ぶんです。 その言葉も、本当なのかもしれない。 「夏希!!思い出したよ!!」 「うわっ!!」 姉が、いきなり夏希の本を取り上げた。 「なんだよ……思い出したって何が?」 「魔女は幸せを運ぶの!私、小さい頃に教えてもらったのよ!」 「………誰に?」 「おばあちゃん。」 ギョッと、夏希は目をむいた。 「おば…って……ばあちゃんに!?」 「そう。」 びっくりする夏希と、思い出した事で満足そうに笑う夏姫。 「姫~!それと夏~!ご飯よ~!」 母親の声が、家の中をこだました。 今夜はハンバーグである。
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