ルシエラの朝のお話

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「あのメイドさんも参加ですか?」 「あらあら、成長したわね君も~。ドルチェちゃんも入れて賭直しお願いね~」 「伝えておきます」 ちなみにアリスちゃんファン達はアリスちゃんが負けるはずがないからとアリスに賭ける派と、ランに勝ってもらわなければ困るからとランに賭ける派に別れていてランとアリスはなかなかいい勝負だったりする。 「しかしなんでヒューイの奴はあんなにモテるんだ……」 少年は悔しそうに呟く。 「……彼は誰よりも強い」 いつもの間延びした声ではなく真剣で真っ直ぐに突き刺すような声に少年は戸惑う。 「けど……誰よりも弱い。だから皆彼に引き付けられる」 そこでニコニコ顔に戻り続ける。 「な~んてね~」 「強くて弱いですか……矛盾してるんじゃな痛っ」 ルシエラが少年にデコピンをした。 「あとは自分で考えなきゃダメよ~。それがいい男になる秘訣よ」 「はあ、そうですか……姐御はヒューイの事は好きにはならないんです?」 そう言うとルシエラは困った顔で微笑みながら言う。 「さてね~」 それ以上は答えずルシエラは少年に背を向けた。
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