ランの朝のお話

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目の前には色とりどりのお花畑が見渡す限り広がっている。そんな中、目の前に一人の青年がいた。 それは自分の想い人……奇跡の再開を果たした愛しの人。この大陸では珍しい黒髪で見とれる程綺麗な赤い瞳をし、少し童顔であり僧侶服に身を包む強いけど本当は弱く優しい人。 我慢出来ずに問う。 ヒューイはうちの事……好き……かな? そう言うと青年は優しく微笑み返してくれた。 『もちろんですよ』 本当……? 返ってきた言葉が信じられず思わず聞き返した。青年は先程と同じ笑顔で答えてくれる。 『ええ、マイドさんよりも大好きです』 「比べる人ちゃうやぁぁぁぁん!!!!」 がばっと布団を弾き飛ばしランは起き上がる。外ではチュンチュンと小鳥の囀りが聞こえ。蝉達も喧しく鳴き続ける。  「なんや……夢か……またツッコミしながら起きてもうたわ」 目を擦りながらしばらくベットの上でぼーっとした後、ランは顔を洗いに洗面所に向かった。 顔を冷たい水で洗い鏡を覗き込むといつもの見慣れた自分がいた。 いつも下着姿で寝るのでライトグリーンの下着に身を包むなんとも艶かしい姿である。 それに加えいつも左右におだんごにする髪は下ろしていて、更に無表情でいると雰囲気が違い大人びた色香が際立って見える。この姿を見れば恐らく世の大半の男性はイチコロであろう。
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