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教室のドアをあけた途端目に飛び込んできたのは黒板にでかでかとかかれた文字だった。
『娼婦がまた仕事したよ!』
ご丁寧に装飾までされているけれど、そこに女の子らしさは感じられなかったから多分男子の仕業なのだろう。
「なんだあれ」
斎藤も驚いていた。
チラッと藍川さんを窺うと、何てことない顔をして本を読んでいた。
「入り口を塞がないでくれるかな、お二人さん」
振り向くと、鍵を閉めてきたのだろう小林さんが立っていた。
「どいたどいた、………なによあれはぁぁぁっ!?」
教室に踏み込んだ小林さんの叫びが聞こえた。
「ったく誰よっこんな根も葉もない噂撒き散らしてっっ」
鼻息荒く制服にチョークの粉が付くのも気にしないような荒々しい消し方だった。
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