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「おい冗談は止せよ、娼婦って言ったらあれだろ?お金もらって、その…、するんだろ?」
「あぁそうだよ、その娼婦だよ」
鈴木の口調にこの話題は口にしたくないという気配を感じたけど、僕はしつこい程食い下がった。
だって情報屋(少なくとも僕が思うに)の鈴木が、何も言わず「娼婦だ」の一点張りなのはおかしすぎる。
「だ~か~ら~…」
遂に根負けしたのか少し声を落として話始めた。
「色々、噂もあるし、見た奴とかも居るし、先輩の中でアイツを買ったって言ってた人も居たし…」
そう言いながら鈴木の声は目に見えて沈んでいった。
「その位にしてやれ、鈴木は1度藍川に振られてるんだ」
そう肩を叩いてきたのは斎藤だった。
「そうなのか?」
「斎藤っお前っ、つーかなんで知ってんだよっ!あっ…」
慌てて口を噤んだ鈴木に僕も斎藤も苦笑する。
それを見て鈴木が怒り出しそうになった所で先生が授業の終了を告げた為に鈴木は怒るに怒れず、変わりに僕達は笑った。
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