図書室

2/3
前へ
/30ページ
次へ
昼休み、図書委員の斎藤について初めて図書室に入った。 図書室には数人の生徒がいて、各々好きな本を読んでいた。 「こんにちは、斎藤くん」 向こうで女の子の声がして顔を向けると藍川さんのグループの女の子が斎藤の隣に腰を落とした時だった。 「こんにちは、小林さん」 斎藤も律儀に返事している。 いつものやりとりなのかもしれない、2人にはそんな雰囲気があった。 似合っているというか 馴染んでいるとでもいうのか。 僕は読みたかった本を手にカウンターに向かった。 「斎藤、これ借りたいんだけど、どうしたら…」 「あぁ、じゃぁこの紙に」 「あたしやるよ。この太枠の中、記入して。はい、ペン使って。」 「あ、ありがとう、小林さん。」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加