野良猫ロック

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「グレイ、オイラ達の居場所も段々と無くなってきたんじゃないかなあ。オイラ、最近はそんな事をずっと考えるんだ」 俺やブルー、死んでしまったトラさん、多くの孤独で自由な野良猫たち。 ブルーは自分達の居場所が無くなってきたなんて言うが、俺は、そんなものは最初から無かったんじゃないかと思っているんだ。 「でもこれって仕方の無い事なんだよね。オイラ、それも考えるんだよ。オイラ達野良猫なんて、この世界で生きていくには窮屈で不満ばかりの毎日を送るしか無いんだよね」 ブルーの言う事をおかしいと思うかい? でも俺達にはこれが精一杯なんだ。自分の生きたいように生きたい、しかしそれは難しい、無理だろう、そうさ、矛盾してるんだ。考える事は自由だ。最近知った事なんだけど、世の中には考える事が出来ない人達が大勢いるんだ。彼等は考えているふりをする。それも、自分が誰よりも考えている、といったような具合に。 「どれだけ思うようにならなくても、それでも負けずに生きるしか無いんだよね。俺、周りに流されるような人生を送るのは嫌だもの」とブルーが言う。俺は野良猫と話すのはとても好きだ。俺達にしか分からない事もあるんだと、俺は思うんだ。 「自由に生きるさ。俺達は野良猫だ。首輪なんかに興味は無いぜ」 そこで俺の腹が音を立てる。自分の道を行く野良猫。そんな俺達、やはり空腹には勝てない。美味い飯でも食いに行くとしようか。 「にゃおーん」 周りの人々にどれだけ滑稽だと思われようが、俺は鳴き続ける。自分自身の声で。
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