野良猫ロック

4/7
前へ
/7ページ
次へ
飼い猫連中、そこで俺にこう言うんだ。 「人間が食ってる飯って確かに美味いよ。でもさ、グレイ、あんたそんなものばかり食ってたら長生き出来ないぜ」 確かにそうかもしれない。しかし、俺はこうも思うんだ。 自分のしたい事も出来ずに、好きなものも食べれずに、そこまでして長生きして何が楽しいんだ? 俺はただ自由に生きたいんだ。誰からも縛られずに、下らない価値観に囚われずに。 野良猫は自由な生き物だ。 誰にも媚びず、何処にも属さない。 そうやって生きてきた。そして俺はここに在る。 野良猫なもんだから、当然、俺は綺麗なわけじゃない。飼い猫連中や人間達はそんな俺を見て、同情のまなざしを送る。あるいは軽蔑する。 しかし俺はそんな事は気にも止めない。綺麗に着飾られた洋服や美しい毛並みを持つ彼等を見ても、何の魅力も感じない。みんな同じように生きて何が楽しいのか、俺には分からない。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加