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舞子の目が、パッととらえたのは、相手の無精髭だった。
ー何よ、こいつ…ー
微かに聴こえるようにつぶやいてみせた。
歳は舞子よりも若そうだった。髭をはやしている分、老けて見えるが、学生くらいか?
白い無地のTシャツにジーンズ姿。舞子のつぶやきが耳に入ったのか、オドオドした口調で話しかけてくる。
「悩みごとなら、お力になりたいと思って」
「私はここに、気晴らしに来たのだわ。楽しんでいるのよ。ほうっておいて」
舞子がそう言うと、彼はいきなり自信あり気な態度を見せて、言い返してきた
「いいえ、あなたは、悩んでいるはずです!」
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