恵 ―夕焼け―

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「冬堂君!来てくれたんだね」  俺は、制服の袖を捲り上げながら小屋に入った。  錆び付いた大きな小屋は綺麗なオレンジ色に染まり、人気の無い校庭に独特の陰影を刻み付けていた。風に吹かれ、飼育小屋特有の異臭が俺の鼻をつく。
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