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早速扉を開けた俺は、目の前の光景に絶句し、息を飲んだ。
「…身体測定!?」
なんか、特徴を一言で表すとクールな感じの、白衣をまとった男性が、今朝見た先輩の腹やら胸やらピ──にメジャーを巻いて、カルテっぽいものに数字を書き込んでいたのだ。
うわっ。何? このエロゲ的な展開。
「失礼しましたぁぁ!!」
扉を思いっきり閉めると、教室の前にぐにっと倒れた。
「俺は変態だぁ…俺は……でも、…あれは事故で……」
自分で自分に言い訳をしている俺を結香は木の棒でつついてくる。野グソの扱いはやめてくれ。
しばらくふてくされて三角座りをしていると、急に扉が開いた。
「さぁ 入りなさい」
先輩の測定をしていたクールな感じの男性は何も無かったかのように扉を開け放つと、俺達を部室に招き入れた。
部室の中は大量の段ボール箱が積まれていて、引越し直後のような雰囲気だ。
ふと部室の奥に目を向けると、部室の窓際で椅子に腰掛けながら凛とした表情で校庭を眺めている先輩がいた。
先輩は椅子からゆっくり立ち上がると、柔らかい声で問いかけた。
「私は平和部、部長の三木結羽ですけど……まさか、入部希望者ですか!」
結羽先輩の目は文字通り輝いた。おそらく、俺たちが初めての入部希望者なのだろう。
「はいそうですが」
「…希望します…」
結羽先輩は両手を広げると、部屋の窓際から入り口までの距離、約12メートルを助走も無しに飛び越えて俺達を抱きしめた。
結羽先輩の柔らかな胸に俺の頭は埋められた…
女性特有(?)の甘い香りが鼻孔をくすぐる。しかし、腕にこもってる力がいやに強い…やがて、めちゃくちゃ息が苦しくなって…意識が遠のいて……
「…は…ぐぁ…」
俺は変な断末魔を口にすると、不様にも結羽先輩の腕の中で気を失った。
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