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──数分後。
「ん…?」
俺は眼を開いた。
「まぶしっ……」
日差しが眩しくてまともに目を開けていられない。しかも、日射しが目に焼き付いて視界が薄く見えてしまうようになってしまった事だろう……
仕方なく薄目で周囲の様子を見ることにした。
どうやら、ここは部室の中らしい。……そりゃそうか。部室で気絶したんだから。
気絶していた俺をとても心配そうな顔をして介抱している結香の背後には、入り口を開けた時に真っ先に目に入った大量の段ボールが積まれていた。
とりあえず身体を起こしてみた。
「……三木先輩?」
「ん? あぁ。目が覚めたんだねっ。ごめぇん」
「先輩って、立ち幅跳びの選手ですか?」
ちなみに、立ち幅跳びの約12mは人類には絶対不可能です。
「んな訳無いでしょー(棒読み)」
結羽先輩はおば様方が立ち話をしている時に途中でする手招きみたいな動作を行なった。
「ところで、今さっきは何故、俺にだけ殺人的抱擁をしたんですか?」
この問に結羽先輩の表情が曇った。
「ま……嬉しか…から……」
結羽先輩は頬を染めながらボソッと言った。
「ん?」
「…な、なんでもないわよ!」
結羽先輩は激しく動揺を見せてから黙り込んでしまった。
「ふぅ、拗ねちゃったか……」
背後から聞こえた声に振り返ると、白衣を身にまとったクールそうな男性がスリッパでペタペタと歩み寄ってきた。
…というより、なんで結羽先輩は拗ねてるの!?
さりげなく結香の方に目を向けてみると、段ボールの上にちょこんと正座していた。
「か、彼女は知っての通り平和部部長の三木結羽です」
あ、今この人噛んでたね。 と、どうでもいいことを思った俺。…彼の話はまだ続く。
「そして私は、平和部顧問の木枯英次(こがらし えいじ)。担当教科は、科学のAとBだ」
なんか、メチャクチャだな…と頭の中でコメント。
「以後、覚えておくように」
それだけかよっ!!
木枯先生は、達成感を噛み締めたように高笑いをすると、部屋をペタペタと歩き去っていった。
「なんなんだ? あの顧問は…」
とりあえず、和みを求めて結香に目を向けた。
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