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とても穏やかな笑顔を皆がしながら笑いあっている。
なにか良い事でもあったのだろうか?
別に彼には関係ないのだが…
彼の表情は微かだが穏やかなものになっていた。
周りからは表情が変わったなんて言っても分からない位、本当に微かな変化だった。
あぁ、あのグループは幸せそうだ。
あのグループはいつも一緒にいるな。
ずっと仲良く幸せでいてくれるだろうか?
今度は彼の線対称の位置になる、黒板の前であるグループがヒソヒソとなにか相談するように話している。
なにかあったのかな?
それとも悪さでもしようとしているのかな?
う~ん……
でも彼女らはいつも悪戯で困っている先生を助けているグループだ。
悪さや悪戯を全くやる事がない訳でもないが、本当に子供の悪戯程度で先生を困らせる事は絶対にしないだろう。
なんて思いながら今日もいつも通りにゆっくり時間を潰して過ごして朝礼の時間までを彼なりに楽しみながら待つつもりだった。
しかし変化とは急に訪れるもの。
「おはよう…雨宮(あまみや)君……」
彼は驚いていた。いや、驚愕していたと言っても過言ではない。
彼はあるときを境に人と話をあまりしなくなっていた。
いや…
話どころか関りを故意に避けていた。
高校に入った当初こそ多少は話しかけてくる奴もいたが一年と二ヶ月たった今では誰も話しかけてくる奴はいなくなっていた。
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