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何でそうなったかは自分がよく分かっている。
自分で関わりあわないように避け続けたから、簡潔に言えばそうなる。
そのせいか分からないが普段はおろか挨拶までも今や交わす人などいなかった。
だから会話も必要最低限の事しか交わさないのである。
よって今更、自分に挨拶をする奴はいないと思っていた。
「えっ…あぁ……おはようございます………」
なるべく素っ気無く言い。もう仕事は終わったと前を向く。
まぁ…周りには無気力に座っているだけにしか見えないだろうが…
「ねぇ…雨宮君……」
まだ話しかけてくるとは……
雨宮はちょっとばかし不機嫌になっていた。
なるべくなら誰とも関りを持ちたくない。
どんな付き合いでも苦しみを背負う羽目になるのだから………
はぁ~と溜息をつき雨宮は話しかけてくる少女に向かい合った。
「何でしょうか? 箕月 楓(みつき かえで)さん?」
雨宮は笑顔で言うが目は笑っていなく。
冷たい声で言い放つ。
雨宮自身は別に冷たい声で言ったつもりではなかったのだが…
何分、朝の楽しみを邪魔されて機嫌が悪かったため冷たい言い方になってしまった。
箕月はと言えばそれに脅えたのか微かに目に涙を溜めて固まってしまっており、何も言えずに雨宮のほうを向いている。
こう言うのを蛇に睨まれた蛙と言うのかな?
と考えながら雨宮は溜息をついて口を開いた。
「箕月さん…
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