榊から朝倉へ

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どうかした、と聞く前にばあちゃんの携帯が鳴った。 ばあちゃんは慌てふためいて、かばんから携帯を出す。 らくらくホンだけど、使い方がイマイチわからないと言っていたが、ボーイフレンドの才蔵さんのおかげで多少使いこなせるようになったみたいだ。 電話に出たばあちゃんの頬が、少し赤らむ。 才蔵さんだな。 「はい、わかりました。  今おりていきますね」 お迎えに来てるみたいだ。 「じゃあ行ってくるわね」 本当にソワソワと、ばあちゃんが出ていった。 どこか和やかな気持ちで見送る。 あたしもばあちゃんみたいなかわいらしいおばあちゃんになりたいな。
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