榊から朝倉へ

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あたしは居ても立ってもいられず、お母さんの携帯に電話した。 国際通話はお金かかるけど、こんな緊急事態、そんなの気にしてらんない! かけてから、向こうは朝の3時だって気付く。 …出なかったら、また3時間後にでも掛け直そう。 そう思っていると、お母さんが出た。 『…Hello…?』 「もしもしお母さん?!」 『伊緒璃?』 眠そうな声が急にはっきりした。 『どうしたの伊緒璃、こんな時間に…何かあったの!?』 何かあったよ、お母さんのことで! 「再婚はいいとしても、先に行っててとか転校って何っ?」 あたしがまくしたてると、お母さんが電話の向こうで笑った。 『なんだそのことかぁ』 「なんだじゃないっ!」
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