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  気が付くと、降りだした雨はどしゃ降りになっていた。 僕はどうにか雨を凌ごうと、近くの建物の下に非難した。そこは木の匂い漂う、古い木造の一軒家。   大きい建物には「人間」っていう怖い生きものが住んでいるんだって、前に兄さん達が言ってたのを思い出した僕は、一瞬ブルッと身震いした。   『ここに居るのが見つかったら、僕食べられちゃうのかな…?』   人間の住みかの軒下で雨宿りしながらそんな不吉な事を考えているうちに、すっかり体が冷えてしまっていた。   『――…クシュッ!』   たまらずくしゃみが出、ブルルッと体を震わせると、毛に付いた雨の雫が乾いた軒下の地面に落ちて、ポツポツと斑点模様を作った。   『寒いなぁ…。兄さん、皆…』   心細くなり、皆を呼んでみる。でも兄弟達が現れる事はなく、僕は更に寂しくなってしまった。   もう辺りは真っ暗だ。   僕は初めて、1人きりの夜をむかえようとしていた。  
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