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  僕はますます怖くなったけど、ちょっぴり人間の顔が見たくなった。いつも人間の顔は遠くにあってよく見えないから。今なら高い位置に僕がいるから、きっと見えるって思った。   僕は前足と後ろ足をバタつかせて暴れてみた。 そうすれば後ろを見られるって思ったんだけど…   『うわぁ、やだよ…これじゃあ身動きできないじゃない…』   人間は、今度は暴れる僕の両前足を掴んで持ったんだ。精一杯の抵抗で、後ろ足をバタバタさせたけど適わなかったよ…     さっきと違う場所に窓みたいなものを開けて入ると、「あっ」と思う間もなく、僕はあったかい水の中に落とされた。   『やだぁー、水は嫌い…出してよぅ。何でも言うこと聞くからぁ…!!』   力のかぎり叫んで暴れたけれど、大きい手が容赦なく僕を泡だらけにしていく。泡の海に沈みそうになりながら、僕はゴシゴシと体をこすられ、抵抗なんか全く出来なかった…。   『僕、このまま泡になって消えちゃうかも…』   されるままになり、僕はそんな事を考えていた。  
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