第一章

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ある田舎町。山に面したこの町は、人口が少なく平和な町である。 そんな春の暖かい日。一人の老人が山に山菜取りに出掛けていた。 ―今日は霧が心なしか深いような気がするな。 確かにこの日は町には暖かい日がさしていたのだが、山には霧がかかっていた。普段は霧は薄くしかかからないが、この日はとても濃くかかっていて視界がとても狭い。 ―これは道々気をつけてなければいけんな。 老人は深い霧の奥へと入っていった…
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