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託児所から娘を受け取り、挨拶もそこそこにアパートに帰る。
そうだ!窓に洗濯物干したまんまだった。
あわてて取り込もうと部屋に入ると、畳の上に洗濯物が散らばっていた。
「あれ?誰かいるの?」
おそるおそる電気のスイッチを入れると、一匹の黒い猫が洗濯物に埋もれてた。
「何?この猫…あんたが取り込んでくれたの?…なわけないか。窓だって閉まってるし…」
眠っていた娘が猫に気づいて、駆け出していった。
「ちょっと、危ないから…」
「あぶなくないよ。かわいいよ、飼っていい?」
「ダメ!アパートはペット禁止よ!雨も凄いから、明日の朝になったら外に出します」
やだー…と、しばらく猫と戯れ疲れて娘は寝てしまった。
それにしても。
洗濯物が濡れなかったのは助かるけど、毛だらけじゃないのよ。
ホントにこの猫が…
少しの間、娘の脇でスヤスヤ眠る黒い猫を見つめていた。
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