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まぁ…ね、俺達がしたいのは、本の中の恋じゃないから。
「自分が犠牲になって死んで、あんたに後追い自殺なんかしてほしい訳じゃない」
「え…俺が自殺するのって決定事項?」
「するでしょ、あんたは。そーゆータイプ」
悲劇的に美しく死んで、その話を他の誰かが聞いて…泣いてほしい訳じゃない。
他の誰がどう思おうが、そんなの知らない。
今も、これからも、俺達が笑っていなきゃなんの意味もない。
だからこそ、俺は
「どんなに汚くて醜いやり方でも、俺はあんたと生きられる道を選ぶよ」
バカみたいに泣くあんたが好きだ。
大袈裟に喜ぶあんたが好きだ。
真っすぐな眼をして怒るあんたが好きだ。
俺の隣で笑う、あんたが好き。
「なぁんか、告白の最上級みたいだな」
なんだそれって言ったら、あんたはすごく幸せそうに笑う。
俺のこと好き?って聞いたら、笑顔で頷く。
俺の行動、ひとつひとつで変わる表情。
それが好き。
「おまえも、俺のこと好き?」
あんたは俺に答えを求める。
だけど…
「たぶんね」
「じゃあ愛してる?」
「さぁ?どうだろ」
好きだなんて声に出して言えるほど素直じゃないし、
愛してるなんて言えるほど、
俺達はまだ大人じゃないから。
End
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