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「それに、猫になったらこんな風に抱きしめられても、僕からは抱きしめられないでしょ?だから猫になんかならないよ」
「……シンさん」
「何?」
「大好き」
「うん」
「好き。大好き」
「そーかそーか」
「シンさんは?」
「ん?僕はね、格好良い人が好きかな」
「…ごめんねェ、格好良くなくて」
「プッ、誰もコウが格好良くないなんて言ってないよ?」
「だってそういう言い方だったじゃん…」
「でもまぁ、確かに今は格好悪いかもな。怖い夢見て僕に泣き付いてくるし、あと自分がパンツ一枚なの気付いてる?」
「あっ!」
そういえば起きてすぐこっちに来たから、なにも着てない…。
言われて気付くと、なんか急に寒く感じてくる。
「風邪ひくから服着てこいよ」
「もうちょっと」
「もうちょっと…このまま?」
「うん」
少し屈んで頭をシンさんの肩に乗せる。
ふわっとウチのシャンプーの香りがした。
突然ぺたぺたとシンさんが俺の体に触ってくる。
「コウ、デカくなったよね。体も良い感じに締まってきたし」
「ほっ、ホント?」
「うん。僕好み僕好み」
「ホントに!?」
「僕好みで格好良い」
ニコッと笑いながら、今度はシンさんが俺の肩に頭を乗せてくる。
「……あれ?…ちょっ…え!?」
あの…肩に頭を乗せてくるっていうか、肩に歯があたってる…
「痛ってェ……放し…っ!」
ってか歯が食い込んでるんですけど!
「…痛……っつぅ…!」
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