小さな光

2/2
前へ
/24ページ
次へ
病院から帰宅して2時間 薬の時間になった             抗生物質が入った液体の飲み薬と、目ヤニを良くするチューブに入った塗り薬、クルミが生きる為に必要な薬だ             飲み薬を皿に移し、スポイトで吸い上げた             抱かれて嫌がるクルミを息子達も協力して押さえ、クルミの口元にスポイトを当てる。 鳴いて開いた口をめがけスポイトを入れ、一気に押して薬を与える             『クルミ、よく頑張ったね😃』 私や息子達が、クルミの頭を撫でながら誉める             心配そうに見守っていたチビ太も、クルミが薬を飲んだのを見て安堵したのか横になった             次は目薬だ クルミを息子達と協力して押さえ、クルミが固く閉ざした目を開ける チューブの塗り薬を手に取り、瞼の中に入れる。 猫じゃなくても、チューブ入りの塗り薬を目に入れられるのは、嫌なものだと思う             〔クルミを生かすため〕 そう思い、薬の時間を守り、薬の時は心を鬼にした             私がクルミに薬を与えている姿を見て、息子達は口々に『母さん、鬼だ‼』『悪魔だ‼』と言った             息子達がそう言う度に 『こうしなければ、クルミが死ぬんだよ❗』 と、息子達に話した             薬を与えてから、クルミの状態が少しずつ快方に向かった             ご飯(餌)も食べるようになった 今まで食べれなかった事を取り戻すかのように、ガムシャラに食べた その様子を、いつもチビ太は少し離れた場所から見守っていた チビ太は、クルミが食べた後ご飯を食べるようになった             クルミは、トイレも自力で上がれるまでになった それでも、チビ太はいつも見守っていた             血の繋がりがない2匹の猫は、いつしか兄妹のようだった
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加