生きて

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車で30分程度走ると病院に着いた 受付けを済ませ、問診用紙の質問事項を記入して、診察を待った 周囲を見渡すと数人の先客がいて、その方達のペットは全て犬だった 猫は私だけ…  でもワンちゃん達は吠える事も無く静かだった 体調が悪いから、当然といえば当然だろう             1時間半待って診察になる 医師にクルミの状態を話す 医師はクルミをキャリーに入れたまま、猫の伝染病の話を長々と始めた そうしてる間も、クルミはクシャミを頻繁にしている             〔早くクルミを診て‼‼〕 そう叫びそうになる             医師が『この猫を飼いますか?』と尋ねた 私が『はい』と答える 再度医師が私に飼う意志があるか尋ねる  私は再度『はい』と答える             医師:『今治療しても、死ぬかも知れませんよ❗』             私は愕然とした でも、クルミには精一杯の事をしてあげたかった             私:『それでも構いません』 気がつけば、そう答えていた             『それでは、治療します』と医師が言った 看護師がキャリーからクルミを出す 病院のタオルではなく、持参したタオルの上に、小さな小さなクルミが乗る。 出会った時より痩せて、前足と後ろ足はマッチ棒より細い             何度も何度もクシャミする その度に発せられる、医師の言葉に私は驚く             医師:『うわっ‼ 汚ねー うわっ‼ 嫌だ‼ 嫌だ‼』             これが獣医の発言なんだろうか? 耳を疑った             一通りの診療を終えて、料金を支払い、薬を貰った             〔もう、二度とあの病院に行かない〕             そう想いながら帰宅した
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