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~町外れ~
いつき「…。」
村長「いつきちゃん…。」
いつき「おらのせいだ…
おらが…おさむらいを…信じたせいで…」
村長「それは村全体で決めたことだ。いつきちゃんのせいじゃねぇだよ。」
いつき「おら…おさむらいを許すことができねぇだ。」
村長「…。」
いつき「こんな事したって何も変わらないことも分かってるだ。それでも…」
村長「いつきちゃん。
いつきちゃんはいつも村のために一生懸命だ。悪天候で畑が荒れれば、誰よりも働く。
山賊が来れば真っ先に追っ払いに行く。
おらたちが不甲斐ないばかりに…だからいつきちゃん!力になれるかどうかわかんねぇがおらも協力するだ!」
いつき「村長さん…」
農民「村長だけじゃねぇ!おらたちもやるだよ!いつきちゃん!」
いつき「みんな…」
いつきが振り返ると、そこには蝦夷のあらゆる町からきた人たちで溢れていた。
いつきの目から涙が溢れた。
村長「いつきちゃん!」
いつき「うん…
みんなー!聞くだ!おらたちが信じてたお侍はいなくなっただ!もう平和な世の中の約束はなくなっちまっただ!ならおらたちが作るしかねぇべ!死んじまったみんなのために、今ここに裏切ったお侍への復讐を誓うだぁ!」
農民達「うおおおおおー!!いつき!いつき!…。」
村長「いつき一揆衆、結成だ!」
侍への憎しみを抱き、いつき一揆衆は本土へ進軍を開始した。
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