リストカット

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夜親が寝静まった頃、私は部屋で一本の黒いカッターを机から出す。 そして手首に刃を喰い込ませる。 少し力を加えれば血が出て来た。 そのまま喰い込ませる。昨日の付けかさぶたが切れて黒っぽい赤が溢れた。飽きたらず、今度は勢い良く、切る。さっきより血が出た。 だけど… -どうして痛みはないのだろう?- 痛みを求めるように切り刻む。 何度となく繰り返しただろう… 始めてこの行為をしたのは小五の始まり。 引っ張しをして少し経ってから。 何でこんな事をしたのかは分からない。 気付いたら今に至る。 最初は痛かったのを覚えてる。 そして何より嬉しかったのを… 死にたい訳じゃない。 確かめたかった、生きてる証を。 安心したかった… あの頃の私はリストカットのお陰で立って居られてた。どんなに弱いだろう。 どんなに馬鹿だろう。 もう一種の麻薬だった…回数が増えて行く度、止まらなくなった。 感覚何て麻痺していて、それでも刃を向け続けた。
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