61人が本棚に入れています
本棚に追加
/166ページ
さっきまで見ていたニュースはもう話題を変えていた。
「へぇ~翼の部屋って結構綺麗じゃん」
「何で汚い前提なんだよ?」
「何とな~く」
ケラケラ笑う美月を見て私も少し笑い、テレビを消して、美月と他愛ない話をする。
時間は七時。
鍵を忘れないように、と美月に言われ、慌てて鍵を掛ける。
「本当翼って不用心」
それでも笑いは途切れなくて気付けばもう学校。「確か美月Dだっけ?」
「うん。翼Cで離れたね」
落ち込んだように下を向く美月に、隣だからすぐ会えるって、と軽く背中を叩く。
「じゃ、帰り教室行くから」
「ん?またな」
そう言って手を振った。教室に入ると、知らない顔がいっぱい。
他小の奴等が多い。
溜め息と共に、自分の席を探す。
最悪な事に真ん中の二番目。
-まじかよ…-
何度見ても結果は同じなので、十二回目繰り返した所で諦めて、筆箱しか入ってないスクール鞄を横に掛け、席に着いた。
最初のコメントを投稿しよう!