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学校から帰って来ると、一年ぶりに見る父がソファーで寝て居る母の胸を突っ突いていた…
「何やってんの?」
飽きれた顔で聞く。
「あ、お帰り。いや~お母さん起きないんだよ」
久しぶりに見た父は疲れてそうで、少し白髪が増えたみたい。
会った時いっぱい言ってやろう、と思ってた言葉数々が、父の顔を見た瞬間、忘れてしまった。
怒りも何処か飛んでってしまって、いつもなら遊びに行くのにその日は家に居た。
小学生四年にもなるのに、私はまだ子供で、父と一緒にお風呂に入っていた。また四人で楽しくご飯食べたね。馬鹿な私は聞いてしまった。
「お父さん達って別れるの?」
唐突で、ビックリした三人の顔。
「別れてほしいの?」
母の言葉に別に、とだけ答えた。
笑いは消え、私は食べ終わるまで下を向いてずっと俯いていた。
その夜、母と喧嘩した父は、寝る場所がなくなり、本当久しぶりに一緒に私の布団で寝た。少し窮屈そうだったけど、人が居るだけで暑くて足が布団から出た。
「風邪引くぞ」
って、真冬の時期だったからか、何度も怒って布団を掛けてくれたね。嬉しくて何度も足を出した。
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