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私が変わった出来事
真夜中になると私は起こされる。
罵声と罵りに…
最初は何だろ、と下に降りて行こうとした。
階段を降りる足音に気付いたのか
「翼部屋に戻ってな」
、と六つ上の兄が慌てて部屋から出て来た。でも遅かったね…
あんだけ大きな声、二階の部屋でさえ聞こえる。
階段を半分まで来て居た私は、聞いてしまった。
父の浮気や離婚の話。
まだ小学三年の私だったけど、単語の意味は知っていて、それはとても惨い残酷な言葉だった…
「明日早いだろ?また母さんに怒られるぞ」
その時の兄の顔はいつものように笑って居たけど、良く見ると兄の目は赤く充血していた。
泣いてたの?、と言い掛けたけど、涙が出そうで誤魔化すように、ぉやすみとだけゆって部屋に逃げるように入る。
そのまま声を押し殺してベットに蹲って泣いたの良く覚えてる…
出て行ったのはその日だけ。だけど、その内に涙よりも毎晩の事でストレスを感じ始めた。父も帰って来ない日も多くなった。
だからいつも問い掛ける。
「お父さんは…?」
「お母さんが知る訳ないでしょ?!」
睨み付けられた目はとても小さい頃は怖くて、それだけでも泣けて来る。けど…泣くと殴られるから我慢をしなければならない。
ねぇ…お母さん…笑ってよ…
泣いて泣いてどれだけ泣けば、また幸せな四人で暮らして行けるの?
誰かに答えて欲しかった…
だけど気付いていたんだよ。
気付かないフリしてたんだ…
きっと戻るって…壊れるのは本当簡単で、直すのは本当難しいね。
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