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さて、時間が来るまで何をしようか。
仕事は、今は必要ない。
学業は、先程学校に行ったばかり。
基礎運動は、どうせやるハメになる。
宿題は、学校で終わらせた。
「…………なにもやることない?」
俺は鞄を布団の上に投げ、学生服をハンガーにかけクローゼットに入れた。
そこで気付いたわけだが、なにもすることないよな?
女……新しいのを捕まえる?
いや、今日は父さんに呼び出されている。
守らなかったら死ぬな。
バサッ――
―――まるで、羽根を思い切り広げたような音がした。
音はベッドの方から。
リビングの隅だ。
「…………?」
振り返った先にはなにもなかった。
変わらない風景があったとも言う。
「イタタ……」
「ッ!?」
かすれるような小さい声が俺の後ろから流れてきた。
どことなく甘いその声は女のものとみて間違いはない。
殺し屋に狙われるようなことはまだしてないのだが。
「………………」
「………………」
少女がいた。
俺と同じぐらいの年齢だろうか。
少し緑のかかった感じの水色の長髪にアホ毛が二本。
お互いにお互いを見つめたまま無言だった。
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