地球へ

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「魔力が多くないと犯罪者とかに会った時大変だからとか」 王が言うように、統制がとれていても犯罪というものがないわけではない。 『魔力』とはこの星の力の象徴。 魔力がなければこの星の文化は発達しなかったと言っても過言ではない。 今は地球よりも文化が発達している。 魔力を使えばありきたりなことかもしれないが魔法が使える。 しかし、魔法と言っても人間が想像するような大掛かりなものはない。 『抑止力』。魔力と同時に働く力。 この力により魔力による魔法にも規制がかかる。 だからせいぜい、魔法は、出来て日常の中で楽を出来るといった程度のものだ。 しかし、別に魔力は魔法にしか使えないというわけではない。 機械にそれを注入し、半永久的に動く物を作ったり、本来なら電子頭脳などややこしいものが必要なのに魔力によって物体動作を強要させたり、要するに科学的にはなんでもありだ。 裏を返せば、技術の発展が災厄を呼ぶことだってあるわけだが。 「要するに、この星を統括するだけの力を手に入れろってことですか?」 「そうそう。別に娘がいたら好き放題出来ないとかそういうのじゃないから」 本音がここまで出やすい奴なんてそうそういないだろう。 しかし、一応は星を統括する王。 随一の魔力は秘めている。 だからこそ嘘は必要ない。 「じゃあ規制をかけとくんで」 おおよその自分の使命と父の企みがわかったところで、少女は立ち上がり、右手を王に翳した。
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