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「祖先だと?! まさか、瞬禅様か?!」
ズイッと瞬は距離を縮めてきた。それに対し、麒麟は少し後ずさる。
その後も、瞬が近付くと麒麟が後ずさるという事を繰り返した。
「う、うむ。そうじゃ。……しかし、何故分かった? 祖先がアヤツじゃと?」
「あ? そんなもん、当たり前だろ? 麒麟を召喚したと、伝えられているのは瞬禅様だけだからな」
ウンウンと腕を組み、頷く。
「ん? 腕の痛みが無くなっている。てか、変な模様があるし」
「変とは何事だ! それは我が一族の象徴成るぞ!」
瞬は、『象徴ねぇ~』と漏らしながら自身の掌の紋様を見た。
それは不思議な紋様だった。見方を変えれば形が変わるのだ。
それに何やら文字のようなモノまで書いてある。残念ながら瞬に解読することは出来なかったが。
「それが現れたのならもう良いな。俺は帰るとしよう」
麒麟の足元が光り、吸い込まれていった。
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