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☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ぐふぅぅぅ……何が……?」
強烈な頭痛に堪えながらも梁は回りを見る。真っ暗だった。
そんな真っ暗な中、魔法陣がオレンジ色に光っていることしか視認できない。
『我の名を呼ぶのだ』
また聞こえた謎の声。何と無くだが男の声の気がする。
「お前は誰なんだっ?!」
『お前は知っているはずだ。我の名を。思い出せ』
この瞬間、梁の頭の中にひとつの言葉が過ぎった。梁は無意識のうちにその言葉を紡ぎ出す。
「……ラー。太陽神ラー」
今まで光っていた魔法陣が光を強めた。まるで直接太陽を見ているような錯覚に陥る。
そして、光が弱くなっていく。そして光が完全に消えた時、梁の頭痛は治まっていた。
梁は目の前を見た。梁の目の前には小さな太陽が浮かんでいた。
勿論、本物の太陽ではない。辺りを照らす程度の光しかないし、熱くない。
「何なんだ、これ」
『我は太陽神ラー。よく我が名を思い出した。今、姿を現そう』
急に小さな太陽のようなモノが喋りだしたと思ったら、姿を変えていく。
現れたのは黒いスーツを着たオレンジ髪の男だった。梁は一瞬で悟った。コイツは強いと。
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