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「この姿は何年ぶりだろうな。それに、お前はよく似ている」
「誰に似ているんだ? 俺はお前なんざ知らないが?」
「…………そうか。記憶を取り戻していないのか」
クックック、と男――ラーと名乗った――は笑みを浮かべた。
梁も突然笑い出したラーを訝しげに見ている。
「失敬。では、話を進めよう。我と契約する気はあるか、少年?」
「少年じゃない。俺の名前は梁だ」
「これまた失敬。では、梁。我と契約する気はあるか?」
ジロジロと梁は値踏みするかの如くラーを見つめる。
時間にして数分。
見詰めるのを止めた梁はポツリと一言。
「ある。俺と契約してくれ」
「その理由は?」
「お前強いだろう? その引き締まった身体を見れば強さは分かる。それに、〝太陽神〟だろ? 〝神〟ということは、相当上位と分かる。……それに本当の姿があるっぽいし」
ラーは驚いた。服の上から身体の事が分かるなんて、思わ無かったからだ。
確かにラーの身体は引き締まっている。それはラーが一番分かっていること。
そして、一番驚いたのはこの姿が真の姿ではないと見抜いたことだ。
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