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「何時でもかかってきな」
(さて、どうする。相手は神だ。恐らく普通にやったのでは勝てないだろう。ならどうするか)
梁だって闇雲に突撃するほど馬鹿ではない。勝算が無い勝負を受ける馬鹿でもない。
(仕方ない。正面突破だ)
訂正、少し馬鹿だ。
「うおぉおおぉ!! 天涯気法!!」
叫ぶと同時に梁は消えた。いや、消えてはいない。目で追いつけない速度で移動しているのだ。
「(何処だ。何処から来る)……下かっ?!」
「残念! 上だよ、烈火双脚!!」
ズドンッ! 鈍い音と共に粉塵が舞った。粉塵が晴れてきて見えてきたのは、梁が右足を振り下ろしていてそれをラーが両腕で防いでいるとこだった。
一見するとラーが勝っているように見える。だが、よく見ればラーの鼻から血が出ていた。
「俺の勝ちだな、ラー」
「……そうだな。認めてやるよ。まさか左足で俺の鼻を狙うとはな」
そう。振り下ろした右足とは逆に、左足を振り上げ鼻を狙ったのだ。
防いだと油断したところで左足での強襲。そうは防げるものではない。
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