12623人が本棚に入れています
本棚に追加
皆、各々(おのおの)自分の使い魔を呼び出している。それは遥たちも例外ではなかった。
ウンディーネを追いかけ回している遥。琳華の使い魔であるリカに襲われている瞬。アミラに抱っこされて撫でられている葵。
平和な時間が過ぎていた。いや、平和じゃ無いやつもありはするが、概ね平和な時が過ぎていた。
「…………お約束じゃこう言うときに面倒なことを起こす奴が現れるんだよな」
ゴードンはポツリと呟いた。それは口に出そうと思って出したのではなく、自然と口から出たかの様な感じであった。
そして見事にゴードンの悪い時の勘は、99.999%の確率で当たる。要は、全く外れないということだ。
「勝負だ、落ちこぼれ!!」
健市が降ってきた。文字通り降ってきたのだ、空から。
そんな健市は見事に着地し、立ち上がった。健市は学園の制服の上から家の家紋を付けたマントを羽織っていた。
そんな健市の右手には真っ赤な大剣が握られていた。ただの大剣では無いことは想像がついた。威圧感の様なものを感じるのだ。
魔法に疎い梁には分からなかったが、ゴートンは一目で見抜いた。健市が持っている大剣の正体を。
最初のコメントを投稿しよう!