使い魔契約と奇跡の再会

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名誉挽回だろ、と言うツッコミはアミラから出てこなかった。何故なら、梁が消えたのだ。 いや、頭では分かってはいる。消えたのでは無く消えたように見えるほど速く移動していると言うことを。 アミラは戸惑っている。さっきまでとは動きが格段と良くなっている。いや、良くなり過ぎていると言った方が正しいかもしれない。 アミラは元天使として尚且つ熾天使としての自信がある。相手が他の天使や悪魔、神などなら納得するだろう。 それが人間のそれも学生の動きを目で追えなくなるなどあるはずが無い。ある意味その自信が崩されてしまったわけだ。 そのことに動揺してしまった。動揺したが最後、戦いには負ける。逆上や動揺などは本来切り捨てなければならない。それがアミラの信条だった。 「オラァ! 撃拳!」 一般的に見ればただの正拳突きだ。だが、心を乱した状態であるアミラは冷静な対処が出来ない。そのまま腹に一発もらった。
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